事業案内

曳船約款

社団法人 日本港湾タグ事業協会
昭和46年2月1日改正

曳船による曳船作業はこの約款の定める所による。

  1. この約款において
  2. 「本船」とは、その船舶のため曳船が曳船作業を行う船舶をいう。

    「曳船作業」とは、本船を押し若しくは曳きその他本船の操縦を援けるために曳船が行うすべての作業をいう。

    「曳船作業中」とは、曳船が本船との曳索の受け渡しをした時あるいは曳船作業について本船船長から直接指揮をうけることができる状態に入った時の何れか早い時点から、曳船作業を終了して本船との曳索をはなした時あるいは本船から安全な位置まで離れた時の何れか遅い時点までの期間をいう。

  3. 曳船の船長及び乗組員は、本船船長の指揮に従って曳船作業を行うものであり

    曳船船主及びその使用人は、曳船作業中に生じた本船の滅失若しくは損害又は本船上にある人命若しくは物の損害に関して損害賠償の責を負わない。

    本船船主は、曳船作業中に生じた曳船の滅失若しくは損害又は曳船上にある人命の損害に関して損害賠償の責を負う。

    本船船主は、曳船作業中生じた第三者の損害に関して曳船船主が損害賠償する責を負う場合においては、当該損害賠償について補償するものとする。

    ただし、上記の滅失又は人命若しくは物の損害が曳船船主あるいはその使用人が曳船を曳船作業に堪える状態におくことあるいは本船船長の指揮に従うことにつき相当の注意を尽くさなかったことにより生じたことを本船船主が証明した場合においてはイ.ロ.ハ.各号は適用しない。
  4. 曳船船主は争議行為、人命若しくは遭難船舶の救助その他曳船船主の責に帰すことのできない事由が生じたために曳船が約定の時刻に作業を提供する場所に到着できなかったときは、遅延により本船に生じた損害に関し損害賠償の責を負わない。
  5. 曳船船長は、曳船作業中に人命若しくは遭難船舶の救助のため必要があると認めるときは、本船船長の諒解を得た上で曳船作業を中止してこれに赴くことがある。
  6. 曳船船長は、曳船作業中に本船、曳船又は第三者に切迫した危険が生じこれを避けるために必要な措置をとることについて本船船長の指揮を受けるいとまがないときは、本船船長の指揮によらないで当該危険を避けるために必要な措置をとることができる。
  7. この約款の解釈及びこの約款に定めのない事項は、日本国の法令及び慣習によるものとする。
  8. この約款に関して曳船船主及び本船船主間に争を生じたときは社団法人日本海運集会所に仲裁判断を依頼しその選定に係る仲裁人の裁定を最終のものとしてこれに従うものとする。

以上